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健康診断で異常を指摘されたら

健康診断で「異常あり」「要再検査」「要精密検査」と書かれていた方へ

健康診断の結果で「要再検査」「要精密検査」と書かれていたけれど、どうしたらいいのかわからない…。
このページでは、健診で異常を指摘されたときの正しい対応方法や放置のリスク、生活習慣の改善ポイントまでわかりやすく解説します。

健康診断で異常・要精密検査を指摘された方へ

定期的な健康診断は、現在の健康状態を確認する大切な機会です。しかし、以下のような状況になっていませんか?

健康診断の再検査通知を受け取った男性のイラスト
  • 結果を確認していない
  • 結果を見ただけで放置している
  • 要検査の指摘があっても二次検査を受けていない
  • 要治療と言われても医療機関を受診していない

病気の多くは早期発見・早期治療が重要です。健康診断で異常を指摘された場合は、重症化を防ぐためにも、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
神戸市北区の押谷クリニックでは健診結果について丁寧にご説明し、必要に応じて適切な検査や治療をご案内いたします。

健康診断の「要再検査・要精密検査」って何?判定結果ごとの対応方法

健康診断の結果は、以下のように判定されます。それぞれの意味を理解し、適切な対応を心がけましょう。

異常なし

検査結果が正常範囲内です。引き続き健康的な生活を維持しましょう。

要経過観察・要再検査

正常範囲から少しはずれていますが、緊急性はありません。数ヶ月~1年後の再検査までに、生活習慣の改善を心がけましょう。

要精密検査

より詳しい検査が必要な状態です。精密検査で異常がないと判断されることもありますが、必ず受診してください。

要治療

治療が必要な状態です。早めに専門医を受診し、適切な診断と治療を受けてください。

当院では、それぞれの方に合わせた生活改善のアドバイスも行っています。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

【要注意】健康診断で異常を放置したらどうなる?再検査を受けないリスクとは

健康診断の結果票に「要精密検査」と記載された用紙の画像健康診断で「要再検査」や「要精密検査」と記載されていたのに、「つい忘れてしまった」「忙しくて受診できなかった」というご相談も少なくありません。一見、体調に問題がなくても、健診結果に異常が出ていた場合、放置することで以下のようなリスクが考えられます。

放置によるリスクの例

  • 高血圧や糖尿病が進行し、動脈硬化や心疾患などの重大な病気につながる
  • 肝機能障害が進行し、症状が出たときには肝炎や肝硬変を疑うレベルに
  • がんの早期サインを見逃す可能性がある(特に肺・大腸・胃など)

忘れてしまった場合も、
お気軽にご相談を

再検査や精密検査のタイミングを逃してしまっても、落ち着いて、まずは医療機関での確認をおすすめします。押谷クリニックでは、健康診断結果をもとに「今からでも受けるべきか」「次回に備えるべきか」などを丁寧にご案内しております。「今さら受診してもいいのか…」と迷っている方も、ぜひ一度ご相談ください。検査の必要性や優先順位を一緒に整理いたします。

異常が出やすい健診項目はどれ?主な疾患と受診の目安

健康診断では様々な検査が行われますが、特に生活習慣に関連する項目で異常を指摘されることが多くあります。早期発見・早期治療が大切ですので、指摘された場合は適切に対応しましょう。

心雑音

健康診断で指摘されることの多い心雑音のイメージイラスト心臓から聞こえる「どっくん、どっくん」という音は、心臓の中の弁が働く音です。通常、血液の流れる音は聞こえませんが、心雑音がある場合は異常な音が聞こえます。心雑音には様々な種類があり、原因も多岐にわたります。

  • 心臓の弁の問題
  • 心臓の筋肉の厚みや血液の通り道の問題
  • 貧血や甲状腺機能の異常
  • 心臓に異常がない「無害性心雑音」

心雑音を指摘された場合は、詳しい検査を受けることをおすすめします。

不整脈

健康診断で指摘されやすい不整脈のイメージイラスト不整脈は、本来一定のリズムで打つ心臓の拍動が乱れる状態です。心臓は4つの部屋からなり、それぞれが収縮と拡張を繰り返して全身に血液を送り出しています。心臓の中には電気の信号が伝わる経路があり、洞結節という部分から発生した電気信号が、心房、房室結節を通って心室へと伝わっていきます。この信号のリズムが速すぎたり遅すぎたり、正常な経路以外から信号が発生したりすると不整脈となります。不整脈には様々な種類があり、頻脈、徐脈、期外収縮、心房細動、心室頻拍などが代表的です。症状の重さによって以下のように分類されます。

  • 経過観察で良い軽度なもの
  • 薬物治療が必要なもの
  • 10分放置するだけでも命に関わる重篤なもの(AEDによる緊急対応が必要)

また、生まれつき不整脈になりやすい体質の方もいれば、心筋梗塞などの後に発症する場合もあります。動悸や胸の違和感がある場合や、健康診断で不整脈を指摘された場合は、循環器内科での精密検査をおすすめします。特に、失神の経験がある方や、ご家族に突然死をされた方がいる場合は、要注意です。

肝機能障害

健康診断で指摘されやすい肝機能障害のイメージイラスト肝機能障害は、何らかの原因で肝臓に炎症が起き、肝細胞が障害を受けている状態です。血液検査でAST、ALT、γGTPなどの値が高くなります。肝機能障害では詳しい問診が重要です。
以下のような方は、ぜひご相談ください。

  • 健康診断で肝機能障害を指摘された
  • ご家族に肝炎の方がいる
  • 最近体調がすぐれない

健診結果を活用した
生活習慣の改善方法

肥満予防と改善

体重過多は生活習慣病のリスクを高めます。肥満気味と指摘された場合は、食事の見直しと適度な運動を組み合わせて、健康的な体重管理を心がけましょう。

生活改善のポイント

  • 食事は腹八分目を心がけ、ゆっくりよく噛んで食べる
  • 朝食をしっかり取り、夜遅い食事は避ける
  • アルコールは適量を守る
  • ウォーキングやラジオ体操など、無理のない運動を習慣化する

高血圧の予防と管理

高血圧の約90%は生活習慣が関係する「本態性高血圧」です。塩分制限や運動習慣の改善が重要です。また、服薬中の方は自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従いましょう。

生活改善のポイント

  • 塩分は1日6g未満を目標に
  • 調味料は小皿で使用し、麺類の汁は残す
  • 急激な温度変化を避ける(特に冬場は注意)
  • 禁煙を心がけ、アルコールは控えめに
  • 適度な運動で気分転換と体重管理
  • 家庭血圧の定期的な測定を習慣に

コレステロール管理

コレステロールには動脈硬化を促進する「悪玉(LDL)」と、それを防ぐ「善玉(HDL)」があります。バランスの良い食生活で、善玉を増やし悪玉を減らすことが大切です。

生活改善のポイント

  • 適正体重の維持(肥満は善玉を減らす)
  • 青魚(アジ・イワシなど)を積極的に摂取
  • 定期的な運動習慣を身につける

肝機能ケア

肝機能の異常は、肥満、飲酒、薬剤、ウイルスなど様々な原因で起こります。放置すると重症化する可能性があるため、早めの対応が重要です。

生活改善のポイント

  • 良質なタンパク質(魚、大豆製品、赤身肉)を摂取
  • 脂肪の多い食品は控えめに
  • 野菜、果物、海藻類を積極的に摂取
  • 禁酒が望ましいが、飲む場合は適量を守る(日本酒1合、ビール大瓶1本、またはウイスキーダブル1杯程度)

血糖値の管理

糖尿病の多くは2型糖尿病で、食生活の改善と運動が治療の基本となります。ただし、自己流の管理は危険なため、必ず医師の指導のもとで行いましょう。

生活改善のポイント

  • 1日1万歩を目標に歩く習慣をつける
  • アルコールは控えめに(カロリーと食欲増進に注意)
  • 動物性脂肪を控え、食物繊維を多く摂取
  • 塩分控えめの薄味料理を心がける

尿酸値の管理

尿酸値が高いと、関節に痛風発作を起こしたり、腎臓に負担をかけたりする可能性があります。特に30〜60歳代の男性は注意が必要です。

生活改善のポイント

  • プリン体の多い食品を控える(魚介類、肉類、特に内臓)
  • アルコールは適量を守る(特にビール、日本酒に注意)
  • 十分な水分摂取を心がける
  • 定期的な運動で適正体重を維持

健康診断に関するよくある質問

健康診断で特に異常を指摘されやすい項目は何ですか?

健康診断で異常を指摘される項目の1位は「血中脂質」で、受診者の約3人に1人が指摘を受けています。次いで「血圧」「肝機能」と続き、生活習慣病に関連する項目が多くなっています。

再検査と精密検査はどう違うのですか?

「再検査」は、健康診断と同じ検査を再度行い、一時的な異常か継続的な異常かを確認します。例えば、食事制限を守らずに受けた血液検査をもう一度行うケースです。

一方、「精密検査」は、より詳しい検査を行って異常の原因を特定します。例えば、胸部レントゲンで影が見つかった場合にCT検査を行うような場合です。

再検査や精密検査はどこで受けるのがよいですか?

受診先は主に以下の3つの選択肢があります。

かかりつけ医(最もおすすめ)

  • 相談しやすく、必要に応じて専門医を紹介してもらえます

健康診断を受けた医療機関

  • 既に情報があるためスムーズに検査が進みます
  • 紹介状も不要です

大学病院・総合病院

  • 高度な医療機器での検査が可能です
  • ただし、紹介状が必要です

健康診断で糖尿病の疑いがあると言われました。合併症が怖いのですが、大丈夫でしょうか?

糖尿病では血液中の糖(血糖)が慢性的に高くなり、全身の血管に負担がかかります。その結果、以下のような合併症のリスクが高まります。

  • 動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞
  • 視力障害や失明
  • 足指の壊死
  • 腎機能障害(透析が必要になる可能性)

自覚症状が少ない初期の段階で適切な治療を始めることが重要です。

メタボリックシンドロームは病気なのでしょうか?

メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の過剰蓄積に加えて、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が重なった状態です。

【診断基準】

  • 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上さらに以下の2項目以上
  • 血圧:130/85mmHg以上
  • 中性脂肪:150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満
  • 血糖:110mg/dL以上

心電図検査で異常があると言われました。心臓の病気でしょうか?

心電図異常には様々な可能性があります。

  • 不整脈

  • 心筋梗塞や狭心症

  • 心筋症や心肥大

すぐに治療が必要な場合もあれば、経過観察で良い場合もあります。特に胸の痛みや息切れがある場合は、早めの受診をおすすめします。

健康診断で肝機能の異常を指摘されました。原因にはどんなものがありますか?

主な原因として以下が考えられます。

  • アルコールの過剰摂取

  • 肥満による脂肪肝

  • 薬剤性の肝障害

  • ウイルス性肝炎(B型、C型)

健康診断で異常を指摘された際は、そのまま放置せずに当院へご相談ください。

尿酸値が高いと言われました。ビールを控えれば問題ないですか?

尿酸値が高い状態が続くと、以下のリスクが高まります。

  • 関節に結晶が溜まり激しい痛みが出る(痛風発作)

  • 腎機能障害

ビールはプリン体が多いため控えめにする必要がありますが、他のアルコールも尿酸値を上げる原因となります。アルコール全般の制限が必要です。

尿検査で異常があると言われました。どのような検査が必要になりますか?

尿検査では血尿、糖やタンパクの異常などをチェックします。「異常あり」の場合、腹部超音波検査などの精密検査で以下の可能性を調べます。

  • 尿路感染症

  • 尿路結石

  • 腎機能障害

  • 腎炎

  • 糖尿病

  • 腫瘍