咳が長引く・止まらないときに|考えられる原因と対処法
「風邪が治ったのに、咳だけが止まらない」「咳が3週間以上続いていて不安」
このようなお悩みはありませんか?
咳が長引く場合、風邪以外の病気が原因の可能性があります。 本ページでは、咳が続く原因や受診の目安、自宅での対処法などを詳しく解説します。
- 風邪じゃない?
長引く咳の意外な原因とは - すぐに受診が必要な咳とは|
危険なサインとチェックポイント - 咳が何週間以上続くと
注意が必要? - 咳がつらいときの自宅ケア|
対処法と注意点 - 押谷クリニックで行う咳の検査|原因を
見極めるために - 咳に関するよくある質問(Q&A)
風邪じゃない?長引く咳の
意外な原因とは
咳が長引いている場合、「まだ風邪が治っていない?」と考えがちですが、2週間以上続く咳は風邪以外の原因である可能性があります。
通常の風邪の場合
- 原因の80~90%はウイルス性
- 免疫機能により自然に治癒
- 細菌性の場合は抗生物質で治療可能
ただし、以下の場合は風邪以外の病気を疑う必要があります。
- 2週間以上咳が続く
- 1週間以内でも眠れないほどの激しい咳がある
このような場合は、気管支喘息、肺がん、結核、間質性肺炎、心不全などの重篤な病気の可能性もありますので、神戸市北区の押谷クリニックへご相談ください。
すぐに受診が必要な咳とは|
危険なサインと
チェックポイント
咳が長引くだけでなく、呼吸がつらい、胸が痛むなどの症状がある場合は注意が必要です。特に次のような症状がある方は、お早めにご相談ください。
緊急受診が必要な症状

- 呼吸しにくい
- 息苦しくて眠れない
- 横になれない
要注意の症状

- 痰の色が濃い、粘りが強い、血が混じる
- 症状が頻繁に起こる
- 食欲がない
- 動悸や息切れがある
- 頭や顔の痛み
- 胸痛
- 発熱
特に注意が必要な方
- 呼吸器の病歴がある方
- 糖尿病・心臓病・膠原病などの持病がある方
また、以下のような状況も要注意です。
風邪の後に咳と痰だけが続く
- 感染後咳嗽(咳が残る状態)
- 気管支炎
- 副鼻腔炎の可能性
突然咳のみが始まった
- 気管支喘息の可能性
- 夜から朝方に症状が出やすい
- ゼーゼー、ヒューヒューという音を伴うことも
慢性的に咳や痰が続く
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性
- 特に喫煙者は要注意
- 呼吸機能の低下につながる可能性あり
咳が何週間以上続くと注意が必要?
咳が続く期間によって、考えられる原因は異なります。
一般的に、咳が2週間以上続く場合は「遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)」と呼ばれ、風邪以外の病気が隠れている可能性があります。
さらに、8週間以上続く「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」の場合は、より重篤な病気の可能性もあるため、早めの受診が重要です。
咳が続く期間でわかる!
考えられる原因と分類表
急性咳嗽(3週間以内) | 風邪やアレルギー性鼻炎など、比較的短期間で改善する咳。 | ・ウイルス感染症(風邪) ・肺炎 ・アレルギー性鼻炎 |
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遷延性咳嗽(3~8週間) | 急性咳嗽よりも長く続く咳。気管支喘息や逆流性食道炎など、治療が必要な病気が隠れていることがある。 | ・気管支喘息 ・咳喘息 ・逆流性食道炎 ・感染後咳嗽 ・後鼻漏 |
慢性咳嗽(8週間以上) | 2ヶ月以上続く咳。 肺気腫(COPD)や結核、肺がんなど重大な病気の可能性がある。 |
・肺気腫(COPD) ・結核 ・間質性肺炎 ・肺がん |
咳の症状別に考えられる
主な病気一覧
気管支喘息・咳喘息
主にアレルギーが原因で気道に炎症が起こる病気です。症状は朝や夜に強くなる傾向があり、季節の変わり目や風邪、タバコの煙、急な温度変化などで悪化することがあります。
一般的な咳止めは効果が乏しく、吸入薬による治療が有効です。
気管支炎
ウイルスや細菌の感染によって発症する病気です。発熱、鼻水、のどの痛みなどを伴うことが多く、会話などのちょっとした刺激でも咳が誘発されやすくなります。多くの場合は自然に治癒していきます。
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流して気道を刺激することで咳が起こります。特に食後や横になった時に症状が悪化しやすく、胸焼けやゲップを伴うことも特徴です。長引く咳の原因の5~8%程度を占めています。
感染後咳嗽
風邪などの感染症が治った後も咳だけが残る状態です。特に夜間や朝方に症状が出やすく、通常は自然に改善していきます。水分をしっかり摂取することで症状を和らげることができます。
上気道咳嗽症候群(後鼻漏)
鼻からのどに流れ落ちる鼻水が原因で咳が誘発される状態です。背景にアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があることが多く、原因に応じた適切な治療が必要です。
咳がつらいときの自宅ケア|
対処法と注意点
咳には体内の異物を排出する重要な機能がありますが、長引く咳は肺や気道を傷めることがあります。以下のような対処を心がけましょう。
基本的な対処法

- 十分な水分摂取
- 加湿器の使用によるのどの保湿
- 呼吸法やストレッチでのリラックス
- 胸や肩のコリの解消
注意点
- 原因を特定することが重要
- 症状に応じた適切な治療を選択
- 自己判断での漢方薬の使用は避ける
押谷クリニックで行う咳の検査|原因を見極めるために
咳が長引く場合、原因を特定するためには適切な検査が欠かせません。押谷クリニックでは、咳のタイプや経過、症状に応じて、下記のような検査を行い、考えられる疾患を絞り込みます。
※検査はすべて医師が丁寧に説明しながら進めますので、ご不安な点があれば遠慮なくご相談ください。
呼吸機能検査
スパイロメーターを使用して肺活量や呼気量を測定し、肺の状態や気道の狭窄を調べます。
胸部レントゲン検査
肺や心臓の異常の有無を確認します。
胸部CT検査
肺がん、結核、気管支拡張症など、様々な疾患の詳細な検査が可能です。当院にはCT検査機器が無いため連携する基幹病院にてCT検査を行います。
呼気一酸化窒素検査
気管支喘息による気道の炎症の程度を確認します。
血液検査
炎症反応の有無や、アレルギーの有無、種類を調べます。
咳に関するよくある質問(Q&A)
咳に痰が絡む原因は何ですか?
細菌やウイルスへの感染、空気の汚れやホコリの吸入が主な原因です。体が異物を排出しようとして痰の粘性が増し、絡みやすくなります。
咳に絡む痰は出してしまった方がいいですか?
痰を体内に溜めておくと、呼吸が困難になったり、細菌が繁殖したりする可能性があり、痰はできる限り出す方が良いです。
咳が続いているのに、熱はないのは何が原因ですか?
気管支やのどの炎症、アレルギー反応などが考えられます。乾いた咳か、痰の絡む咳かで原因が異なることがあります。
子どもが夜になると、咳がひどくなるのはなぜですか?
夜間は副交感神経が優位になり気管支が狭くなることや、体温と室温の差で気管支が敏感になることが原因です。基礎疾患に気管支喘息などがある場合がありますので、受診していただき精査いたします。
子どもの咳がなかなか治らないけど、もう一度受診したほうがいい?
最初は風邪による咳と診断されても、その後気管支炎や肺炎に進行する可能性があります。咳が続いていたり、症状が悪化していたりする場合は、必ず再度受診してください。
症状は時間とともに変化することがありますので、様子をよく観察することが大切です。
咳は体力を奪いますか?
はい、咳は体力を消耗します。1回の咳で約2kcalのエネルギーを使い、100回咳をすると30分の軽いジョギングに相当します。
子どもが咳でつらそうなとき、どうすればいい?
以下のようなケアを心がけましょう。
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水分をこまめに補給する(食事が難しくても水分は必ず摂取)
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部屋を適度に加湿する
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蒸しタオルで口元を温める
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横になれない場合は、上体を起こしてもたれかかる姿勢を取る
水分補給は、のどの奥で痰が固まるのを防ぎ、咳を和らげる効果があります。また、加湿や温めることで呼吸がしやすくなり、症状の緩和につながります。